はい、というワケで本題に入りましょう。先日、ヘッドウェイのフレット交換をご依頼いただいて、とても喜んで頂きました。記事はコチラです。そのお客様はなんと4本もヘッドウェイのDスタイルを所有されており、本日HD-115をお預かりしました。弦高が低すぎてバシャバシャ鳴るという事でサドルを交換をする事になりました。

このギターは1977年から1980年代前半に作られたHD-115の復刻版として2000年に128本だけ製作された中の一本です。もちろんシリアルナンバーが刻印されております。もはやレジェンドの百瀬恭夫氏が製作しました。
この当時、ワタクシはミドリ楽器で働いていました。ディバイザー大阪支店の方がよく来られてました。ミドリ楽器はビギナーギターとUSEDギターがメインだったので仕入れた事さえありませんでしたが、僕はディバイザーさんが置いて行ったHD-115のポスターを穴が開くほど見ていました。「これいいんやろなぁ」と。当時、ディバイザーさんでよく仕入れたのはバッカス、あとはユニバースシリーズのアコギですね。よく売れました。

確かにサドルが低いですね。前のオーナーが削ったんでしょうね。弦高を下げたい気持ちはすごくよく分かるのですが、弾き易さの代わりに、音量、音圧を失ってしまいます。アンプで鳴らすエレキギターならまだしも、生で弾いてナンボのドレットノートなので慎重に調整して下さい。このHD-115はネックの反りに永久保証を付けています。アジャスタブルロッドは入っていません。弦を緩めるとわずかに逆反りになっています。これは多分、計算だと思います。ライトゲージを張れば真っすぐになるように製作されているのです。6弦3ミリ、1弦2ミリくらいになるはずです。Dスタイルのギターはその名の通りデカいんです。表板は特選スプルースでサイド・バックはローズウッドです。どっしりした腹に響くゴーンという低音を出すには、12フレットで6弦3ミリは欲しい。1弦は2ミリ。これでドンシャリサウンドが出ます。このギターの感想言っていいですか?素晴らしすぎて、ため息しか出ません。今の状態6弦2ミリ、1弦1,7ミリでも極鳴りですよ。マーチンのD-28と同じ仕様ですが、こっちの方がいいんちゃうかな。か同じくらいか。これ20万円以下で売ってたら絶対買ったほうがいいです。128本しかないので入手困難だと思いますが。

高級感のあるヘッド、ペグはオープンバックです。こうして本物に接するうちに古物商の目利きが鋭くなります。マーチン、ギブソンはたくさん弾いたけどHD-115は弾いたことがなかった。70年代のHD-105は所有しておりましたが、サイド・バックは合板で量産モデルでもあったためそこまで感動はしませんでした。

有名なラベル。紛れもない名品です。ズシっと重たくて頑丈なギターです。

これはフィンガーボードもブリッジも本黒檀ですね。スノーフレークがつつましやかで美しい。現行モデルはフィンガーボード、ブリッジともにリッチライトです。多分、いい黒檀がなくなってるんでしょうね。ギブソンもリッチライトですし。とにかくヘッドウェイギターの完成度に息を飲みました。とても立派なホームページがあります。サドルを上げたらとんでもない音が出るでしょうね。はぁ〜カッコええ。
樋口商店HOT在庫https://musica-guitar.com/guitarstock1.html
樋口亜沙子ギター教室https://musica-guitar.com/

ギターランキングやっぱり低音出すにはDのローズウッドやな。ホントに出色の出来です。タマランチ会長。(^^)/