と言っても現実は待ってはくれない。今回は名器ヤマハFG-150を復活させようという記事でございます。

ネックの順反りがありましたので、ロッドが効くのか探ってみます。1970年辺りに作られたギターなのでロッドは回るのか?

ここではパイプレンチが必要になります。これ入手は結構手間だと思います。僕はミドリ楽器時代、買い取ったギターについている付属品もキレイに保管しておりました。カポ、ストラップなどは中古でも¥500でよく売れました。そんなこんなで、パイプレンチはヤマハもギブソンも持っています。

一度軽く緩めて、後は時計回りにゆっくり少しだけ回します。「ググっ」運よく回りました。

ヘッドも磨くのでペグは外します。

50年分の汚れを拭きとります。なかなかの思念ですが、もっとすごいのを見てきているのでフツーです。

ひたすら拭きます。これが時間かかるんですよ、アコギはパーツが少ないからマシですがエレキはホンマにしんどい。基本、分解して各パーツを磨き上げて、また組み上げていきます。

ツヤが戻りました。キュッキュッというまで磨きます。

もちろんペグも磨きます。そういえばミドリ楽器時代は10時に出勤して、18時までギターを磨き上げる感じでした。いつも残業してましたけど。爪もボロボロになって、それでもお客さんを喜ばせたい一心で、テスコやグヤ、ビクターなんかをレストアしておりました。その頃はまだ、高槻にロックインがありました。何度も偵察には行きましたが、第二次世界大戦の日本と連合軍のような圧倒的な資金、物資、情報、立地の差がありました。「同じ路線では、絶対に勝てない。」ではどうするか、「一点限りのものを売ろう!」そう、決めました。新品ギターは入門用の¥9,800くらいのギターを一応おいておいて、後は全部中古にしました。しかも、「何これ?」と見た事のない深海魚みたいなギターを集めました。この作戦は当たりました。お客様が増えたのです。周辺小物もよく売れました。しかもミドリ楽器を愛してくれるお客様です。じゃあそれでハッピーエンドじゃないかとお思いになるかも知れませんが、その時の店長は実父である。まだまだ元気だったので、全権を譲ってはくれなかったし、最後の最後は俺を信用していなかったと思う。長なるから次行こ。

どうですか、この面構え。退かぬ!媚びぬ!省みぬ!

さ、フレットを磨きましょう。これはBIG BOSS新庄の歯みたいになるまで磨きます。

かなり、めんどくさいですが大事な部分なので念入りに磨きます。

フレットの磨きは終わりましたが、指板の汚れが落ちてません。ここの汚れは残留思念といいまして、前オーナーの魂が死にきれずに付着しているものと思われます。

このレモンオイルと小さなスケールで、こそぎ落としていきます。

では、ボディーを磨きましょう。高森 汚れとりつや之助が大活躍する場面です。

見て下さい。この汚れ。油、ヤニでまっきっき。でもまだ、マシです。

さて、弦を張りましょう。当然、エリクサーです。ここをケチるのがよく分からん。弦で音やタッチが変わります。よりアーティスティックにギターを奏でよう。

はい。完成です。貫禄が出たでしょう、50年前のフォークギターですよ。

まだまだ、現役ですね。傷も味わいとなります。

材料もいいですね。

光輝いております。弾いてみた感想。もちろん全部合板なギターなのですが、軽い力でもよく鳴ります。フラットピックなしでもいい感じになりそうです。和音がまとまっていて、ちゃんとマホガニー系の音がします。ネックは握りがいのある太さです。これで、またこのギターは誰かに弾かれる事になります。楽器にとって一番いい事は弾いてあげる事です。
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