15歳の夜、俺はパクられた。
ある晩、俺はいつものようにヤクルトを買いに自転車で家を出た。なぜヤクルトかというと、あれはお通じが良くなるから、学校でUせずに済むからだ。学校でのUは、なるべく避けたい事例である。誰もが思う事だ。学校でいつもUしてるやつはかなりの肝っ玉だよ。おっかさん。
バイクに乗った警官2人、俺を呼び止める。
「どこ行くの?」
「いやぁ別に。」
Uのためにヤクルトを買いに行くとは言いたくなかった。
「自転車、鍵ついてないけど?君の?」
実は友人Sから借りていた。でもSの名前を出してSがややこしい事になるのも嫌だったし、なんとなく友人を裏切るようで俺はうそをついた。
「え?まあ、自分のです。」
「ちょっと防犯登録調べるから。」
なにやら、連絡をとっている警官。ピー無線が鳴っている。
「これ、盗難届け出てるから。」
「!!!」Sめ、パクったチャリンコを俺に貸していたのだ。なんておちゃめなヤツ。
しばらくすると、大阪府警とロゴのはいった大きめバンがやって来た。
「はい、自転車と一緒に乗ってね。」
「やばい。ただヤクルトが欲しかっただけなのに、こんな大ごとになるとは。」

で、ここにやって来たわけである。
「ほんとに君が盗んだの??」「誰かかばってるんじゃないの?」
「いや、駅前で俺、つい。」
Sの名前は絶対出したくなかった。そこまでダサ坊になりたくなかった。もう十分ダサい。指紋を取られ、盗難チャリンコと2ショットも撮られた。
1時間〜2時間くらい問い詰められた。かつ丼は出てこなかった。
「国のかあちゃんも泣いてるぞ。」拡声器攻撃もなかった。
警官はしびれを切らしたかのように、「じゃあ保護者呼ぶから、電話は?」
「73-***9です。」言うしかなかった。
しばらくすると、兄貴と親父がやって来た。
「ほんまにすんません、このアホが。お世話かけました。」頭を下げる兄貴と親父。
マークUのセダンに乗った瞬間、兄貴に思いっきりシバかれた。
高槻市ランキング職質も何回かある。